14.スーパー老人たち(3)
早川恒雄
本年80歳になる早川恒雄さんは、1993年のハセツネCUP第1回から、2018年の第26回大会まで、フル出場&全完走をしている驚異のランナーです。2019年からは台風やコロナの影響で開催されていないので、早川さんは78歳での完走が最後の記録となります。
ハセツネCUPというのは、日本最高峰のトレイルランニング大会で、午後1時にスタートし、夜通し山中を走ってトップは夜9時前に、普通に速い人たちは真夜中にゴールするという過酷さです。
コースは武蔵五日市を起点・終点として、奥多摩の山々をぐるっと廻るもので、全長は71.5kmもあります。
制限時間は24時間なので、体力さえあれば完走でき、完走率は3/4くらいですが、そうは言ってもアップダウンも激しく普通の登山者では無理です。
ちなみにボクならどんなに頑張っても二泊三日はかかります。もっとかな?
そんなハードなレースを、これまで26年間欠かさず完走していると聞くと、どんなじいちゃんなんだろうと興味が湧きますが、写真で見るとやはり実年齢より10歳以上若そうな印象です。うらやましい!
彼は、この写真のように、トレーニングとして30kgのコンクリートを段ボール箱に詰めて背負子にくくりつけ、週一回自宅周辺を6kmほど歩くそうですが、並の体力でできることではありません。
見るからに頑健そうです。
普段は運送業を営んでいる方だそうで、つまり現役!
ジャック・ラレーン(1914〜2011)
最近の本ですが、『晩夏の墜落』という海外ミステリーがあります。
プライベートジェットの事故を扱った作品で、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作です。
4歳の子供を助けて生き残りヒーローとなった画家スコットが主人公ですが、子供を抱えて陸まで泳ぐシーンで、もうダメかもと思いながらもジャック・ラレーンのことを思い出し、とうとう泳ぎきることができます。
スコットは子供の頃、ジャック・ラレーンに会ったことがあり、彼の武勇伝を知っていたのです。
ボクがジャック・ラレーンを知ったのは、毎朝の生ジュース作りのために「パワージューサー」を買った時です。このジューサーは彼のデザインになるものでしたが、こんなスーパーマンのような人がいるのかと驚きました。興味のある人はネットを見て欲しいのですが、彼こそ「からだ改造の創始者」と言っても過言ではないでしょう。
食事と運動に狂信的なまでの情熱で取り組み、現在のフィットネスクラブやエクササイズは彼のアイデアが元になって発展したものです。
よく知られている「ジャンピング・ジャック」という運動のジャックとはジャック・ラレーンのことだそうです。
その彼の一番有名なアクションが、「アルカトラズからの脱出」でした。
両手に手錠をされ、両足も拘束され、おまけに450キロのボートを腰にくくりつけた彼は、凶悪犯を収容したアルカトラズ島からサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ近くまでを見事泳ぎ切ったのです。
これは彼が41歳の時のことでしたが、なんと60歳直前にも再び同じような挑戦をし、成功しました。
先に述べたスコットが子供を抱えて陸まで泳ぎ切った時、イメージしていたのはこの実在の事件だったのです。
そのジャック・ラレーンの最期も見事という他ありません。
96歳のジャックは、一週間ほど前から体調が悪かったそうですが、家族がいくら勧めても医者には行かず、その日もいつもと同じく日課にしていたエクササイズを変わらず行い、翌日家族が起きてみるとベッドの中で亡くなっていたそうです。
96歳まで生き、亡くなる日までエクササイズを欠かさなかった健康オタクの存在を思うと、
少々激しい運動を死ぬまで続けても大丈夫(笑)
という保証をもらったような気がします。

三石巌さんも、95歳まで生き、書斎に様々な運動器具を揃えて、原稿書きの合間に運動をし、講演をし、好きなスキーをし、スキー宿で体調を崩して一週間ほどで亡くなりました。いつまで続けられるのだろう、などと悩まず、死ぬまで続ければいいのだと、これら先人たちに諭されたような気がします。
その他、100歳のマラソンランナーとかいろいろあるのですが、もうキリがないので、スーパー老人の調査はこの辺でやめておきます(笑)。

コメント
コメントを投稿